宅建とはどういう資格? 宅地建物取引士になるには?

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不動産関連の仕事をする上で「宅建を取った方がいい」なんて言われることがあります。宅建は「宅地建物取引士」のことで国家資格です。「宅地建物取引士」は不動産業者にとって重要な資格といわれます。今回は宅建とはどういった資格か、また「宅地建物取引士」についてご紹介します。

■宅建とは? 宅地建物取引士の仕事とは?
「宅地建物取引士」は『宅地建物取引業法』内の第15条で、
宅地建物取引士は、宅地建物取引業の業務に従事するときは、宅地又は建物の取引の専門家として、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない。
とされています。宅地や建物の売買に関するプロとして業務に当たるのが「宅地建物取引士」で、物件の調査や価格の査定などの業務を行います。中でも、
●重要事項の説明
●重要事項説明書(35条書面)への記名押印
●契約書(37条書面)等への記名押印
については宅地建物取引士の免許を持っている人しか行ってはいけないことになっています。「重要事項」とは、買い主や借り手に伝えなければならない最低限必要な情報のことです。「重要事項説明書」は、その重要事項を説明しました・確認しました、ということを証明するための書類です。これも大事ですね。取引内容を書面にしたのが「契約書」です。これに売り主と買い主(賃貸の場合は貸主と借り主)が押印することで契約が締結されます。宅地建物取引士はこの契約に誤りがないことを証明するために押印します。
宅地・建物の取引では金額が莫大なものになることが多いため、契約の際には細心の注意を払わないといけません。宅地建物取引士はこの部分を担うキーパーソンなのです。
また、宅地建物取引を行う業者の事務所には「従業員5人に1人以上、案内所の場合には1人以上」の宅地建物取引士を置かなければなりません。
⇒データ引用元:『宅地建物取引業法』
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S27/S27HO176.html
■宅地建物取引士になるには?
宅地建物取引士になるには、
・「宅地建物取引士資格試験」に合格
・「宅地建物取引士」として都道府県知事の登録を受ける
・「宅地建物取引士証」の交付を受ける
※「宅地建物取引士証」は有効期限5年です。5年ごとに「法定講習」を受けて更新します。
という手順を踏む必要があります。試験に合格しただけでは宅地建物取引士として働くことができない点に注意してください。登録し、免許証の交付を受けて初めて宅地建物取引士の仕事が可能なのです。
というわけで、まず年一回開催される「宅地建物取引士資格試験」に合格することが必須ですが、興味深いことにこの試験には受験資格が特に設けられていません。年齢・性別・学歴などの制限がないため、基本誰でも受験できます。ただし、以下のような欠格規定があって、そのどれかに該当する場合には免許が交付されません。
ほとんどの人が当てはまらないかもしれませんが、簡単に目を通しておきましょう。
●宅地建物取引士資格試験を受験できない欠格者(抜粋)
一 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
二 第六十六条第一項第八号又は第九号に該当することにより免許を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者(当該免許を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前六十日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問、その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この条、第十八条第一項、第六十五条第二項及び第六十六条第一項において同じ。)であつた者で当該取消しの日から五年を経過しないものを含む。)
二の二 第六十六条第一項第八号又は第九号に該当するとして免許の取消処分の聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に第十一条第一項第四号又は第五号の規定による届出があつた者(解散又は宅地建物取引業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で当該届出の日から五年を経過しないもの
二の三 前号に規定する期間内に合併により消滅した法人又は第十一条第一項第四号若しくは第五号の規定による届出があつた法人(合併、解散又は宅地建物取引業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の前号の公示の日前六十日以内に役員であつた者で当該消滅又は届出の日から五年を経過しないもの
三 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
三の二 この法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 (平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の三第七項 及び第三十二条の十一第一項 の規定を除く。第十八条第一項第五号の二及び第五十二条第七号ハにおいて同じ。)に違反したことにより、又は刑法 (明治四十年法律第四十五号)第二百四条 、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
三の三 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号 に規定する暴力団員又は同号 に規定する暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(以下「暴力団員等」という。)
四 免許の申請前五年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした者
五 宅地建物取引業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者
六 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。)が前各号のいずれかに該当するもの
七 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに第一号から第五号までのいずれかに該当する者のあるもの
八 個人で政令で定める使用人のうちに第一号から第五号までのいずれかに該当する者のあるもの
八の二 暴力団員等がその事業活動を支配する者
九 事務所について第三十一条の三に規定する要件を欠く者
⇒データ引用元:『宅地建物取引業法』の「第5条」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S27/S27HO176.html
宅建は上記の免許が交付されない欠格者以外は誰でも受験できる試験ですので、例えば2014年(平成26年)度の試験では当時小学6年生(12歳)の杉浦健斗くんが合格するという快挙を成し遂げています。他にも、最年少合格者は2013年(平成25年)度には15歳、2012年(平成24年)度には16歳、という結果になっています。
しかし、宅建は決して合格するのが簡単な試験ではありません。ここ5年の合格率を見ますと、
2012年度:16.7%
2013年度:15.3%
2014年度:17.5%
2015年度:15.4%
2016年度:15.4%
と、かなり難しい試験であることが分かります。難しいのも当然で、試験内容は
●宅地建物取引士資格試験の7つの分野
1.土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること
2.土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること
3.土地及び建物についての法令上の制限に関すること
4.宅地及び建物についての税に関する法令に関すること
5.宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること
6.宅地及び建物の価格の評定に関すること
7.宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること
と多岐にわたります。試験は、四肢択一式50問のマークシート方式。合格率が低い難しい試験ですので、一生懸命勉強しないと合格できません。
宅建の資格の概要と宅地建物取引士になるにはどうすればいいかについて解説しました。いつも取材でお世話になっている中堅不動産デベロッパーの営業マンに聞いてみましたら、「宅建」の資格を持っていると会社の中でも重宝されるとのことです。資格を持っていることがそのまま高い給与に結び付くというわけではありませんが、活躍の場が広がることは確かです。大学生のうちにこの試験に合格しておく、というのもアリですね。
(柏ケミカル@dcp)

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